概要
自社で未経験の中途、新卒採用をしているので、私も時々面談に入ったりもしている。その時にやりたいことやITに興味を持ったきっかけを聞くと、会社ですぐにやれるだろうことと違っていたりするので、IT関連の職種は全体としてどんなものがあるかを整理して、その後に会社でのキャリア、案件を説明している。このIT関連職種についての情報は最近ITに興味が出てきたという人にも役に立つかなと思ったのでまとめておく。
DX人材の役割について
今、IT関係の仕事だとこのIPAのデジタルスキル標準が広がりがあっていいように思う。IPAが10年以上前にITスキル標準をまとめているけど、そちらはあまり広がりがなくて、イメージがわきづらいように思うので会社説明には使っていない。#todo ITスキル標準のリンクをはる
デジタルスキル標準ではDX人材のロールを5つに分けて定義している。ビジネスアーキテクト、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ、ソフトウェアエンジニア、デザイナー。
ビジネスアーキテクト
ビジネスアーキテクトはDXの雑用係・推進役で、デジタルを前提とした業務を企画して、進めていく役割、と言える。華々しいイメージがあるが、部門をまたいで業務を改善していくので、パソコン片手にリモートでというイメージからは一番遠い役割かもしれない。ITの知識・経験を前提として関係者との話し合いなどで仕事を進めて行くことになると思う。
データサイエンティスト
これもひところ、未経験からデータサイエンティストというモデルがはやったのでイメージする人が多いかもしれない。この職種については、データサイエンティストという職業の10年間の変遷を振り返るという投稿が詳しい。データサイエンティストは新規参入のハードルがかなり高いように思う。統計+機械学習について深い知識が必要で、これは数カ月勉強して案件が獲れるようなものではないと思う。そして、データサイエンティストが扱うようなデータは外部にポンと公開されるものはほとんどないと思われるので、データを持つ会社に入って、データサイエンティストとして会社の施策を考えるというのがまず一番になると思う。
このレベルでないのであれば、統計やExcelの知識と業務知識を元にデータ分析および業務改善というのは役割としてあり得ると思う。ただ、これは巷でいうデータサイエンティストではないと思う。
サイバーセキュリティ
ここはあまり詳しくないので、良い資料ないか探している。
アプリケーションやネットワークのセキュリティが保たれるように運用やツールの改善を行う、といった感じかな。ハッキングをする仕事はデータサイエンティストと同じであまりそのあたりに転がっていないと思う。
ソフトウェアエンジニア
これが逃げ恥とか見て抱くイメージに近いと思う。ただ、利用者が直接見る画面を扱うフロントエンドエンジニアは技術のはやりすたりが早く、トレンドを追う必要があるとおもう。また、新しい技術であればベストプラクティスがまだ定まっていないので手さぐりで解決する苦労はあると思う。バックエンドエンジニアの場合はもう少し情報理論含めた長期のお勉強が必要。Web開発のロードマップにこのあたりについて少し書いた。
上記以外
上記以外ではこのような役割があると思う。
コーポレートエンジニア
いわゆる企業の情報システム部門としての役割。社員の使うパソコン、社内システム、メールアドレス、会社サイトの管理などを行う。この役割については、おかしんさんのビジネステクノロジーとは何かというNoteの投稿が面白いと思う(無料部分で充分内容が分かります)。企業の活動をIT面で支えるので、重要ながらも会社によっては重要性が理解されず、お荷物扱いされることがあるように思います。
ITトレーナー
パソコン、ExcelやWordなどのソフトウェアの使い方を教える役割。インストラクショナルデザインという教え方を設計する技能が求められるので、奥行のある職種だと思う。
SIerのシステム開発のプログラマ
企業で使われる大きなITシステムを作る場合に、複数の企業からプログラマーを集めて、システム開発を進めることがある。この時に、システムはプログラマーにあまり技術力がなくても作れるように設計するので、プログラミングが作業になってしまうことがある。IT技術者の担当範囲を書いてみた。(有料)というNoteの記事が良く整理されていて良い。
懸念点
この投稿をしたのはIT関係でここ数年怪しい情報やミスリーディングな情報が飛び交ってきていて、それで不幸になる人がいなくなって欲しいと思ったからだ。例えば、こんな話が飛び交ってきたと思う。
- Kaggle頑張ってデータサイエンティストになろう
- Ruby on Rails学んでプログラマーで給料いっぱいもらおう
- リモートで外資ITに参加しよう
- プロンプトエンジニアで、、、
その時々で流行りは違うものの、短期で身につけて稼げるといった話は良く聞くし、そういう人は実際に一定数いるかもしれない。しかし、誰でも短期で身に付くということは他の人もすぐに参加できるということで、美味しい話はそうそうない。私も身近な人間にもプログラマーになりたいと相談されたが、子どもがいて、地方からの移住は難しい、30代半ばという条件を考えてプログラマーはやめるようアドバイスした。こういう話がすべてではないものの一応話としては知っておいてから判断してほしい。詳しくは以下の記事を読んでください。
新卒、第二新卒、未経験からITエンジニアになるために/中長期的な視点を踏まえたキャリア対策
未経験エンジニア参入障壁の変遷/受け入れ先企業、候補者双方の心構え
UnsplashのNik Shuliahin 💛💙が撮影した写真