循環と共生について3冊読んだ

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はじめに

SNSで本の紹介が流れてきて、ちょっと関連しているなと思って、以下の3冊を読みました。

  • 『エネルギーをめぐる旅』
  • 『大地の五億年』
  • 『あなたの体は9割が細菌』

それぞれの本についての紹介

『エネルギーをめぐる旅』

この本は、エネルギーという観点で、人間の歴史を追っていた本で、森林、水力、内燃機関、電気、そして肥料というキーワードで人間のエネルギーの利用の歴史を追っています。最後にはエネルギーこそが現在の文明を今の形にとどめているもので、きわめて不安定な状態で成り立っているということが示されています。このあたりは、福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』に通じるものを感じました。

『大地の五億年』

上記で、肥料について関心がふくらんだので、『大地の五億年』を読みました。これは、地球の歴史を、土とそこに生きる生物という観点で追った本です。この本を読むと、土の豊かさは、土壌の酸性度、リン・窒素などの栄養をどのように獲得するかによるという観点が示されていて、また、各地域の土壌の特徴についても詳しく説明されていて今いる場所の土はどうかという好奇心がわいてきます。また、植物が栄養を獲得するために積極的に土壌に働きかけていたり、ミミズが腸内細菌を利用して栄養を得ていることなどが説明されていて、今までのあいまいな理解がより具体的になりました。

『あなたの体は9割が細菌』

上記のミミズや植物の共生菌などの話から引き続いて、この本を読みました。読む前はトンデモ本じゃないかと思っていたのですが、人間の体内にいる細菌がどのように人間に影響を与えうるのかというのを研究の過程や成果を追って説明していてとても面白かったです。ただ、それぞれの研究がうまく行ったもの、うまく行かなかったものなどあり、最後まで丁寧に読まないといけない本だなと感じました。この本では、細菌が人間の体内でいろいろな役割を果たしていること、この最近のバランスが抗生物質、食事などにより変わることで不調になりえることなどが説明されています。食物連鎖の頂点にいるようでいて、人間の命は細菌によって支えられているということがわかりました。

共通するところ

これらの本はどれもミクロ、マクロな循環、共生について触れていてとても面白かったです。肥料、微生物など特定のテーマでも重なる部分があり、読み返すとミミズも細菌と共生をしているのかなど気づきがありました。特にエネルギーと肥料については、植物を分解する生物の存在する今石油や石炭は新たには生まれないこと、石油が現在の食糧生産を支えていることを考えると、エネルギー問題は今後も大事なテーマになりそうだと思いました。

次に読みたい本

これらの本を読んでいるときに、『対話型ファシリテーションの手ほどき』、『途上国の人々との話し方』などの本で知っているムラのミライの2人がこんな本を出しているのを知りました。サブタイトルが、「化石燃料文明の彼方へ」ということで、違うかもしれませんが、化石燃料を元にした肥料の話などがあるのかなと思っています。

UnsplashSangga Rima Roman Seliaが撮影した写真